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「三日間…たった三日間でもお前に付き纏われたせいで、その後の五日間は心に穴が空いたような気分だった」
自然と私は涙を流していた。
私の想い…いつの間にか届いてた。
「だから…人前に出られないような見た目でもいい、ずっと俺の側にいてくれ!!」
「……」
こんな真面目で優しい彼を"騙す"ことに強い罪悪感を抱いて胸が傷んだ私は、一度スッと彼を押し退け、まっすぐと目を合わせながら包帯を外した。
「騙して、ごめんなさい…」
「……!!」
私の顔を見て、彼は怒るだろうか。
こんな嘘つきで貧乏な私を嫌うだろうか…そんな様々な思考を巡らせながらゆっくりと包帯を外し終えると、また彼は驚いた。
何故なら私の顔は、傷一つ無い世界最高峰の超絶美少女のままだったからだ。
実は直前に麻衣に諭され、本当に彼が私の容姿じゃなくて心を見てくれているのか、試してみたくなった。
そんな私に向かって彼は一歩歩み寄り、またきつく私を抱き締める。
「無事で良かった…!!」
彼に先を越されてしまったけど、本当は私だって言いたい。
「私も大好き、秀平……!!」
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