真実とアナザートゥルース!

11/11
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
「三日間…たった三日間でもお前に付き纏われたせいで、その後の五日間は心に穴が空いたような気分だった」 自然と私は涙を流していた。 私の想い…いつの間にか届いてた。 「だから…人前に出られないような見た目でもいい、ずっと俺の側にいてくれ!!」 「……」 こんな真面目で優しい彼を"騙す"ことに強い罪悪感を抱いて胸が傷んだ私は、一度スッと彼を押し退け、まっすぐと目を合わせながら包帯を外した。 「騙して、ごめんなさい…」 「……!!」 私の顔を見て、彼は怒るだろうか。 こんな嘘つきで貧乏な私を嫌うだろうか…そんな様々な思考を巡らせながらゆっくりと包帯を外し終えると、また彼は驚いた。 何故なら私の顔は、傷一つ無い世界最高峰の超絶美少女のままだったからだ。 実は直前に麻衣に諭され、本当に彼が私の容姿じゃなくて心を見てくれているのか、試してみたくなった。 そんな私に向かって彼は一歩歩み寄り、またきつく私を抱き締める。 「無事で良かった…!!」 彼に先を越されてしまったけど、本当は私だって言いたい。 「私も大好き、秀平……!!」
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!