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“冷花、研究のほうはどうですか? この極寒の地は再び人間が快適に住めるようになりますかね?”
おばあちゃんからの通信からかと思っていたら、本国にいるこの研究プロジェクトのリーダーであるコリンズ氏からの連絡だった。コリンズ氏は私のことを心から気づかい、ブルーベリーの持ち込みを許可してくれた優しい人。私はできればよい報告をしてコリンズ氏を喜ばせたいと思っていたが、残念ながら観測結果はよい数値ではなかった。
「寒冷化の速度がより進んでいます。今はまだ、かろうじて微生物などがここに生息していますが、より寒冷化が進めば、微生物より先に人間が凍りついてしまって動けなくなるでしょう。残念ながら。」
コリンズ氏は、一瞬険しい表情を浮かべたが、すぐにいつもの穏やかな表情を取り戻して、私に報告書の提出の旨とねぎらいの言葉を言い、それから少しうつむいたかと思うと通信をすぐに切った。
この土地は百年ほど前にはまだ、温暖な気候をしており、雪もそこまで積もることはなかった。ときどき、雪や氷の層を掘るとそのような温暖な時代の名残りが発掘される。
以前は氷の層からカチンコチンに凍ったブルーベリーの実が出てきたので、農業大学のチームと確認してからその実の解凍、DNAの復元に成功した。それがこのノースランドとブルーヘヴンの親木となっている。
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