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家に帰ってコンビニのお握りを食べた。二個目を食べようとしたとき美瑠から電話があった。
「火曜日は待ち合わせ、八時でいい?早紀のお父さんが乗っけて行ってくれるんでしょ」
「それが事故を起こしちゃったの」
「えー。じゃあ、うちのお母さんに頼む。お父さんは仕事だから」
美瑠の家はお父さんがスーパーの店長だ。
「うん、代車がでるって聞いたけど、すぐに用意してくれるか分からないの。悪いけど荷物多いし、迎えに来てくれない?」
早紀はバーベキューセットを用意している。
「いいよー。あ、お供え物は用意した?」
「ううん、買い物に行けなかったの。ジュースでも持って行こうかな」
そう言ったときバタンとリビングの戸が開いた。早紀は驚いて跳ね上がる。お母さんが首を傾げた。
「嘘つき…。縫いぐるみは持って来てくれないの…」
「え?」
「嘘つき…。嘘つき…。嘘つき…」
お母さんには聞こえていないようだ。早紀は両腕に鳥肌が立った。例え美瑠の悪戯だとしても怖い。駅まで歩いて行って電車でデパートに行こうか。キャンプまでまだ日はある。明日出掛けよう。
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