宇宙からの侵略者

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宇宙からの侵略者

「博士!」 「アァ、今回のはすごいぞ。これで地球人どもをアッと言わせること間違いナシだ」  宇宙船の中に、歓喜の声が響き渡った。 今現在、月の裏側に浮かんでいるのは、銀色の宇宙人で構成された軍隊であった。 銀河系の外からはるばる数億光年。 破壊と侵略を繰り返し、とうとう太陽系にたどり着いた彼らは、当然のように第三惑星・地球へと目をつけた。  長旅の疲れも何処へやら、彼らは夜通し侵略計画を練った。 対地球用に、新しい兵器の開発にも勤しんだ。新しい兵器は、自在に変形・合体が可能で、過酷な宇宙空間にも柔軟に変化し、大量の宇宙人を一気に乗せて運べる。まさに優れものだった。博士はこの新兵器の大量生産に成功した。そして今宵、いよいよ地球への攻撃が始まろうとしていた。   宇宙の蛮族・S星人。  今まで宇宙を我が物にしてきた彼ら。 その総軍はゆうに1000兆、いや1000京を超える。数だけでも、地球を実質支配している人類を圧倒していた。さらにその科学力も、数億光年を旅するだけあり、地球人では遥かに及ばないレベルへと達していた。S星人のやり方は至ってシンプルだ。その数にものを言わせ、あっという間に星を覆い尽くし、有無を言わせず実質支配してしまうのだ。 「諸君、では、完成した戦艦に乗り込め!」  総督が号令をかけた。 「100万単位でひとつの軍集団を作れ! それを数百億だ! 決して手を緩めるな!」 「急降下爆撃だ! 奴らの地表を全部裏っ返してやるつもりで突っ込め!」 「地球という星を、我々が根こそぎいただいてやろうではないか。抜かるなよ……」  こうして宇宙船の大群が飛び出した。 『へへ……。地球の奴ら、驚くだろうな』  漆黒の闇で満たされた宇宙の海で。パイロットの一人が呟いた。 『アァ。なんてったって俺たちゃ数が違う!』 『覚悟が違う! 着いたらそのまま突っ込んで行って、一気に地面をドカンよ!』 『抵抗する暇もないだろうぜ。数日中には、星の約70%を我々が掌握できるだろうさ』 『こら、そこ!』  指揮官が逸る隊員たちをたしなめる。 『無駄口を叩くな! 総攻撃を始めるぞ!!』 『アイアイサー!!』  宇宙船の群れは瞬く間に大気圏を突入した。攻撃が始まった。次から次へと……何千、何万……いや、何億、何兆。数えられないほどの軍勢が、一挙に地球へと押し寄せた。皆迷うことなく、地表へと突撃していく。それを見て、地球の人々は驚き、口々に叫んだ。 「あっ! 夕立だ!」
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