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じんさんを抱きしめたら、凄く……
涙が止まらなくなっていた。
色々と話したい事はいっぱいあったけれど、
涙が次から次へと流れてくるから。
私には、どうする事も出来なかった。
じんさんは、何も言わずにそっと隣りに寄り添ってくれている。その優しさが尚更……私の胸を熱くさせた。
見た目がかわってしまっても、やっぱり私の愛するじんさん。 何も変わらない。
『私が貴方の姿を元通りにしてあげるからね』
貴方の為なら私は、何もいらない。
♢
毎日、じんさんの家に差し入れを置いて帰る所だった。
ある時、おじいさんとすれ違う。
「君、Blueガーデンという丘をしっているかな?」
私の方を真っ直ぐに見つめ、そう問いかけてくる
「はい。知っています。それが、どうしたんですか?」
私は、思わず気になったことを口に出していた。
「もしかすると…… ああ、何でもない」
何か言いかけたが、おじさんは話を途中でやめた……
「何ですか?何かあるなら言ってください。すごく気になります」
「……細かなことは言えないが、Blueガーデンの伝説を知ってるかね?」
「はい、知っています。呪いにかかってしまった伝説ですよね?」
「そうじゃ、この先、何かあった時にその事を思い出すといい……ただ、互いに想いあってなければ……呪いにかかっていない方が命を落とすということを良く覚えておくんじゃ。まぁ、君には関係ない話だと思うがね」
私は、このおじいさんが何を言っているのか全然意味がわからなかった。
少しの間、返事を返さないまま、考えていた。
「おじいさん、少し考えましたが、私にはさっぱり理解できません。それは、どういう意味なんですか?」
おじいさんの方に顔を上げるとその姿はもうなかった。
周りを見渡したけれど、見当たらない。
おじいさんが歩いて行ったであろう方向へ走って行くが見つからなかった。
どうして、足音もたてずに歩いていけたのだろう……少し背筋に寒気がはしり不思議な世界へ迷い込んでしまったような感覚がした。
それから程なくして、私はじんさんと再会して
おじいさんの言っていることが理解できた。
ずっと、出逢ってからジンさんだけをみてきた。だからそれ程、私のことを好きではないとわかっていたから……
じんさんの姿をみたとき、そして、話していて
私は、悟った……
きっと これが私の『運命』だと。
私にできることがわかった気がする。
きっと いつか 生まれ変わって どこかで
また、じんさんに出逢えると信じてる……
さようなら、お元気で。
またいつか出会えますように……
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