採用

5/10
280人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
「そうね。スペックとしては全く問題ないわよね。むしろ、うちの会社にはもったいないぐらいの人材ね。凛が焦るのも分かる気がする。新作のマーケティングでも力を貸してくれそうだしね。」 真理が私と全く同じことを考えていたのは嬉しかった。 「じゃぁ、決定で。戻って色々調整が必要ね。真理、総務の子に後で来てもらえるように言ってくれるかな。後は、私でやっておくから。終わったら内線入れる。」 「了解。内線貰ったら、総務の子を行かせるわね。男性の力が必要な時も多いから、これで安泰ね。じゃぁ、後は頼んだわよ。」 と言って真理は総務のデスクに向かっていく。 再び応接室のドアをノックして、入室する。 ちょうどホットコーヒーを飲み終えようとしているところだった。 「離席して失礼しました。市川は別の業務があるので、退席させて頂きます。あっ、珈琲ゆっくり飲んで下さい。」 そうは言ったものの、相場さんは急いで珈琲を飲み干してカップを元に戻す。 「本日はありがとうございました。採用ということでお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。」
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!