履歴書の男

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事業が順調で会社も少しずつ大きくなってきて、仲間内で始めた会社だったけど徐々に従業員も増えてきている。 デザインや製作については従業員が増えてきて問題ないが、私の業務については自分一人でやってきた。 仕事が増えてきて、そろろろ一人でやるもの限界になってきた。 朝も早くから夜も遅くまで仕事をしていると、時々何の為に生きているのか分からなくなる。 趣味のサーフィンもできないし、男もできないし、このままではまずいと思っていたし、事業も順調だから秘書を募集してみようと、軽い気持ちで募集をかけてみた。 秘書がきてくれたら私の業務の負担が減って、少しは自分の時間が出来て素敵な彼氏もできると淡い期待もあった。 募集をかけてから一週間でそれなりの数の応募がきてびっくりしている。 女性用水着業界ということと、秘書という役職柄、応募してきたのは女性ばかりだ。 届いた履歴書を順番に目を通していても、これといってピンとくる人がいない。 パラパラと履歴書を見ていると、男性の履歴書が目に入ってくる。 今まで女性ばかりだったので、妙に興味が湧く。 写真はどこかで見たような顔だ。
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