採用

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待ちに待っていた朝がやってきた。 軽い足取りで会社に向かう。 意気揚々とエレベーターを待つ。 「凛、昨日は珍しく早く退勤したわね。今日の面接に来る人が楽しみ過ぎて仕事が手につかなかった?」 からかうように声をかけてきたのは、起業当初から一緒に仕事をしてきた真理だ。 「そんなわけないでしょ。最近仕事を詰め込み過ぎてたから、疲れてたのよ。昨日はゆっくり撮り溜めたドラマ見れて心も体もすっきりよ。」 図星だったかが動揺しているのを悟られたくなくて、無理に明るく言ってみる。 「無理しなくていいわよ。楽しみで仕方がないって顔に書いてあるわよ。私も履歴書見たけど、あんたのタイプど真ん中の顔してるじゃない。」 「ちょっと変なこと言わないでよ。顔で選ぶわけないでしょ。さっ、エレベーターきたから乗ろ。」 ちょうどいいタイミングでエレベーターがきて、他の人たちでいっぱいになったエレベーター内でこれ以上話すことが出来なくなった。 真理の言う通り顔はものすごくタイプだけど、経歴も含めて選んだだけであって、顔で選んだんじゃないと心の中で反論する。 デスクの脇に荷物を降ろしてパソコンを開く。
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