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遠のく意識の果てで、誰かの声が聞こえたような、そんな気がした。  “際限なく嘘をつき続けてると――いつかほんとうに、自分を見失ってしまうよ。 大切な場所を、人を、失くしてしまう前に……” それは祈りにも似た悲痛な想いのように聞こえた。少しだけ、胸がチクリとした。好きで嘘をついているわけじゃない、だから自分は悪くないんだと。 それから何も聞こえなくなった。 「……起きて。いい加減、目を覚ましたらどうなの」 また、誰かの声がする。 呼ばれるように、深く沈んだ意識がだんだん花開いていく。はじめはぼやけてた視界と頭がクリアになる。じっとこちらを覗き込んでいる青髪の少女――その後ろには金髪の少年がいた。 そして、図書館じゃないどこか。
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