お前なんか、嫌いだ

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お前なんか、嫌いだ

―――――また、あいつの呼び出しか・・・。 うんざりとした気持ちで廊下を歩く。無駄にゆっくりな歩調で。 しかしそんなに広くないフロア内、目的の部屋はすぐ目の前に迫っている。 ミーティングルームと記されたプレートのある扉の前に立ち、その中に入ると吐き出せないであろう溜息を、吐き溜め(できるのかどうかはわからないが・・・)るように繰り返し、僕は遠慮がちに3回、ドアをノックした。 「どーぞぉ~」 気の抜けたような軽い返事が聞こえると、一層気が滅入る。 「――――失礼します。・・・遅れて申し訳ありません、仕事が立て込んでおりまして・・・。それで、ご用件は何でしょう。安東マネージャー」 忙しいのにごめんね~。ヘラヘラとした締まりのない笑みを浮かべ、僕が安東マネージャーと呼んだその男が、会議用の机がコの字型に置かれた中央の席にどっかり腰を下ろし、自分の隣の席を指し示す。 僕は聞こえない程度の溜め息(やっぱり抑えきれなかった)を小さく吐き、促された席ではない、安東(もうマネージャーなんて付けたくない)の斜め向かいの席に腰掛けた。
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