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「…由衣…私達はそろそろ帰るけど…何かあったら連絡しなさい…」
「うん…」
そう言って母親は泣きじゃくる父親を連れて帰って行った。
「ハァー…明日からの高校生活、楽しみです!」
両親が帰った。後、由衣はため息をついたが明日からの高校生活を楽しみにして寝床についた。
次の日
入学式が終わり家に帰ったら父親と母親が小学生を連れて来ていた。
「えっと…その子は?」
由衣は帰って来てそうそう母親に尋ねた。
「…実はね…この子、母さんの遠い親戚の子で…つい先日この子の両親がなくなって…それに引き取り手がいなくって…」
「それで…急遽、家で引き取ることになったんだけど…父さんも母さんも由衣が知ってるように仕事が忙しくてこの子の面倒をみれなくて…」
「それに…このマンションからだとこの子の通っている小学校に近いし由衣に面倒を見てくれないかな?と思って…」
「ええええ!…な、ななな何で急に!」
「私達も昨日、家に帰って来てからこの子が訪ねて来てビックリしてるのよ」
「ちゃんと確認取ったら…お母さんの遠縁の子だってわかったんだ」
「それで…私がみることになったの?」
「うん…それじゃお願いね」
「頼んだよ…由衣…」
由衣の両親は「あとの詳しいことはこの子に聞いて…」と言って有無を言わずに由衣に小学生の男の子を任せて仕事に行ってしまった。
「そ、そんな…ガク…(どうしろと)」
あわただしく帰って行った。両親を尻目に由衣は項垂れていた。
「…」
「…(どどどど、どうしましょ…か、会話がないです!)」
その後、二人っきりになった。由衣と小学生の男の子は一言も話さずに無言でいた。
「…(な、何か話さなければ!…で、ですが!な、何を話せば!)」
「…」
由衣が苦悩していたら小学生の男の子が話しかけてきた。
「…ねぇ」
「は、はい!…ご、ごめんなさい!」
由衣は話しかけられていきなり謝ってしまい小学生の男の子は疑問に思って尋ねた。
「…何で謝ってんの?」
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