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桜が咲くこの季節にとあるマンションに一人の女の子が引っ越ししてきた。
彼女の名前は芝崎由衣
今年の春に高校生になり親の仕送りもありながら独り暮らしを始めることになった。
「…これで終わりですかね」
由衣は引っ越しの荷ほどきが終わり一段落していた。
「由衣…かたずけ終わった?」
そう言ってリビングの方に来たのは由衣の母親、芝崎麗美だった。
「うん…」
由衣が頷いたら母親の後ろから心配そうに顔を出したのは父親の芝崎光史だった。
「…やはり心配です」
「あなた…話あって決めたことでしょ…」
「そうですが…やはり心配です…」
「もう…本当に心配性、何だから…」
「だって!…女の子の独り暮らしですよ!…心配するのは当たり前です!」
「…あはは…大丈夫ですよ…お父さん…私、一人でも…」
「けど…」
「もう…あなた!」
「だ、だってぅぅぅ…」
心配しすぎて父親は泣き出してしまった。
「あはは…」
由衣は苦笑いするしかなかった。
そもそも独り暮らしをする理由が高校に通うのに実家からだと遠すぎるので両親と相談をして独り暮らしをすることになったのだった。
父親は一緒に引っ越そうかと言ったが母が断固拒否して私、一人が独り暮らしをすることになった。
そもそも実家は念願だったマイホームだったためせっかく買った。のにもったいないと母親が言って話し合いの結果、私が独り暮らしをすることになったのだった。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫ですよ…」
心配そうに父親は言った。ら由衣は父親を安心させるように微笑んだ。
「…ぅ…ぅ…うぐ…」
「ハァー…もう…あなた!…」
由衣が安心させるようにそう言っても父親はいつまでも泣きじゃくる父親を見て母親は呆れていた。
「だって…」
「何のために防犯設備の高いマンションを選んだと思っているの!」
「…はい」
「もう…一人、娘だからって…本当…親バカ何だから…」
「あはは…」
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