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「ヨシダ、ちょっと運ぶのを手伝ってくれないか?」
放課後、教室を出ようとしたら呼び止められた。
声の主はクラス委員のタカハシ。両腕に大型ダンボールを抱えていたから、顔は見えねえ。辛うじてオデコが見えているという状態だ。
当然、無視して帰ろうとした。手伝う義理は、ひと……っっっっっつもねえ。
「えー、ヨシダくん、お願い! わたしには無理だよう」
可愛い声がしたので足を止めると、学年一の美少女と名高いミヤマさんが、困りきった顔でタカハシの後ろに立っていた。ミヤマさんの足元にも同じダンボールがあって、ギッシリとプリントが詰め込まれている。その横には、タイヤが外れた台車があった。
「持ち上げるのだって無理なんだから! こんなの、女子には重すぎるよ」
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