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「……ん……わか……った……」
ジンワリ、胸が温かくなった。お人好しって、俺は褒め言葉だと思うよ、ヨシダ。
「ありが……と……」
「え……? タカハシ……?」
隣に来たヨシダが、俺の手足の震えに気付いたみたいだ。
「ま……まずくねえ?」
「……まずい……ね……」
「なんなんだよ、これ……! こんなに暑いのに、こんなにガタガタ震えるって変じゃねえか!?」
ヨシダは身体を乗り出してきて、俺の手をさすり始めた。
「ん……低血糖……なだけ……」
「クソッ、どうしたらいいんだ!?」
「大丈夫だから――……、ヨシ……ダ……」
「しっかりしろ!」
すごい心配してくれているみたいだ。
意識が混濁してきたけど、なんだか幸せな気分だった。ヨシダの手が、俺の手をゴシゴシしてくれている。
――キスはしてもらえなかったけど、もういいや……。
「タカハシ! タカハシってば!」
「ん……」
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