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まさかのお見合い
「えっ、私がお見合いですか?」
ある日、違う場所で2人の男女が同時に同じことを叫んでいた。
アラフォーの若さで外科部長にまでなった敏腕医師の速水瞬。
名字と名前の通り瞬殺の速さで正確完璧な手術をするスゴ腕だ。
もてないワケはないのだが、あまり女のコとかには興味を示さずにアラフォーまで独身を貫いていた。
院長は自分に娘がいれば婿養子として病院を継いでもらいたいと思っている程だが、自分には息子しかおらず、しかも病院には興味も示さずに地下アイドルの運営だか何だかに行ってしまったので、瞬のことを気にかけてお見合い話を次々に持ってくるのだが、うまくまとまらずにいた。
瞬は超絶可憐で美しい相手の写真を見ても何だか浮かない顔をしている。
「アラサーだけど、可憐な美女じゃないか。しかもスッチーだよ。私が貰いたいぐらいだよ、もっと嬉しそうな顔を見せてくれたまえよ」
と院長に紹介されているのはスチュワーデスの白石可憐。
名前のとおり可憐に美しいし、ましてや憧れのスッチーなんだからモテまくっているのだが、縁談は全て断ってもう30の大台に乗ろうとしているのだが独身を貫いている。
「もっと嬉しそうにしなさいよ。イケメンでしょ、しかも超敏腕な外科部長でしょ、私が抱かれたいぐらいだわよ」
といつも可憐に縁談話を持ってきてくれるこの航空会社の女性役員は興奮気味に言った。
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