救えない

1/1
前へ
/1ページ
次へ
君の気持ちが、僕から離れてしまったこと。 僕は知っているよ。 君のいう愛してるが嘘だという事も。 でも一番の嘘つきはきっと僕なんだろう。 嘘だと分かっていても嬉しいし。 だから、嘘になると分かっていても、君が一番だと僕も言う。 ずっと一緒にいようと。 嘘だったとしても、それにすがりたいから。 僕達のあの時間はもう二度と還って来ない。 なのにまだ、すがろうとしているんだ。 だから、君といる時間が一番だなんて、二人の時間を偽る。 君は優しくて残酷だから。 もう、お互いに苦痛でしかないのに。 でも、本当に一番に愛される喜びを知ってしまえば、二番では満たされない。 だからせめて、最後は二人で過ごそう。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加