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抜けるような快晴。
雲ひとつない……ってわけにはいかないけど、綺麗な空だ。
陽射しだけなら少し暑いくらいだけど、窓から吹き込む風が清々しくて快適だ。
「出かけて正解ね。気持ちのいい風」
かおるさんが、助手席でゆっくりと煙を吐き出す。
「そっすね。すげぇ爽やかで」
俺も手にしてたタバコを口に運ぶ。
気持ちいいだの爽やかだの言ってんのに、タバコ吸ってるっつー、どっちなんだって感じの俺らではある。
今日はかおるさんが休みで、家でのんびりしてた。でも、通販で買ったコーヒーを味見したかおるさんが、急にドライブに出かけようって言い出したんだ。
かおるさんが言うことに反対する理由はない。俺は即イエスと答えた。
でも、ちょっと気が引けてる。
「この辺にちょっとした公園があったのよね……マオ、来たことある?」
「いや、ないっすね」
漠然と知多半島に行こうということで、今走ってるのは産業道路。高速の知多半島道路じゃなくて、下道でのんびり行きましょって言われたら、そりゃあそうしますよ。
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