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セックスって気持ちいい。
男性に好かれるって気持ちいい。
これらが掛け合わされた行為たち、底知れない快楽に落ちるのは簡単なことで、当然と言えば当然のことのように思う。
普通であれば、理性とか世間体とかそういったものたちでカバーしてるのかもしれないが、私は人よりちょっとそれらが欠けているみたい。
だからと言って、改善しようとしているわけでもなく、彼によってベッドに背中を沈める日々をこの上なく楽しんでしまっている。
特別好きでない人との行為にも身体は喜ぶのだ。
恋愛<セックスという公式が自分の中で覆るまで、今のままでも良いのかなと思っていたりする。
私に恋人がいるわけではないし、誰かを傷付ける行為じゃない。
別に悪いことしてないし、良くない?を合言葉に、他人から見れば歪んだこの思考は、変わることのないまま24歳、社会人3年目を迎えてしまった。
…それにしても、会社の人に手を出させるのは良くなかった。
しかも直属の上司。
私が働くのは家具メーカー「iria」の商品部デザイン室。
自社で売る家具を企画し、その中でもデザイン担当のチームに身を置いている。
有馬さんは、私が所属するデザイン室の室長だ。
300人程度が働いているオフィスの中でも、それはそれは近い存在である。
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