美由紀と盆栽

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お金も三倍かかるし手も三倍掛かる。 しかし、嬉しさも三倍、楽しさも三倍! そんな思いに、胸を膨らませながら 買い物をしていく。 私の心にお腹の傷の痛みと共に ママになったんだと言う思いが、ひしひしと 湧いてくるのだった。 父さんが、軽トラ、私と母さんが乗用車で買い物に 出かける。 買い物も済ませ、軽トラックと乗用車が荷物で 一杯になってしまった。 ********** いよいよ、子供たちの退院の日が来た。 ベビーキャリーバッグを色違いで、三つ揃え 乗用車の後部座席に置き、子供たちを迎えに行く。 初めてわが子をこの手に抱く。 得も言われぬ幸せ感が込み上げてきて、 母さんも目を細めて孫をみている。 父さんは、抱くのがまだ怖いと言って 見ているだけ… 三人をベビーキャリーバッグに寝かせる。 赤色のベビーキャリーが、美樹。 ピンクが樹奈、水色が佑樹。 取り合えず、今の所は色分けしておかないと 解らなくなってしまいそう。 家に着き、早速子供たちの大合唱! 一人が泣き出すと、三人がそろって泣き出す、 「さすが、みつごちゃんだなや」 父さんが笑いながら言う。 母さんも、美由紀が生まれた時一人でも大変だったのに 三人だものね、頑張ってねママさん!」 「なんで、他人ごとのように言ってるの?」 と聞くと、 「だって、私達おじいちゃんとおばあちゃんですもの 孫を、可愛がっていればそれで、オーケー。 ねっ、おじいちゃん」 などといっている。父さんまで 「そうだなぃ」 などと抜かしている。 でも、そう言いながらも、私より先に子供たちに 手をかけている、おじいちゃんとおばあちゃんだった。
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