美由紀と盆栽

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子供たちが退院して一か月半が過ぎた。 駿也さんは、アルバイトを一人雇って 何とか、こなしている。 私が、東京に戻っても直ぐにはお店の仕事など できないので、アルバイトの人には続けて 貰うつもりだ、と言っている。 固定客も、かなり付いてきたようで、駿也さんも 安心しているようだ。 父さん、母さんも私達が東京に帰ってしまうと 寂しくなる、としきりにいっている。 子供たちの体重が三キロを越えたら、東京に 戻ろうと思っている。 まだまだ、首なども座っていないし、佑樹の 場合、一番小さく生まれたので、この子の 成長がカギになっているが…… 駿也さんにはもう少し一人で、頑張って貰わなくては。 お義父さまも、お義母様も早く三つ子ちゃんを 見たい、抱きたいと首を長くして待っているそうだ。 福島にまで、行って見ようか等とも言っているらしい。 お義兄様ご夫婦にも無事、男の子が誕生して 初孫に、目尻を下げっぱなしだ。と駿也さんが 言っていた。 ヘアーサロンの方も、問題なく営業しているようで たまに、駿也さんが顔を出すぐらいで済んでいるらしい。 子供たちが、もう少し大きくなって来たら 今度は、海外のお店の事を考えると駿也さんが 張り切っている。 私達の未来、子供たちの未来、そして盆栽の未来 まだまだ、やることが山積み! 頑張らねば……と子供たちの顔を見ながら 一人思う私だった。
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