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第一章 盆栽と私
私の名前は、霞 美由紀
アラサーで、独身ですが・・・何か?
某会社で、OLしてます。
この、会社に入って十年になってしまった。
大学を卒業して、花のOL、入社当時は
少しだけ仕事をやって、
素敵な男性を見つけて、結婚・・・
なんてのを、夢見てた。しかし、
夢とは儚いもの、現実とは厳しいもの、段々と
シロアリが、家を長い時間をかけて
食い尽くすように私の心も現実と言う
シロアリに食いつかされていってしまった。
自分の見てくれ判断は、昭和初期の家の
縁側の窓ガラスに写った自分を見て
「うん、完璧」と思えるぐらいかな。
(若い人には、解らないたとえかな?)
母の実家のおばあちゃんの家がそうだった。
古~い家で、お化けでも出そうで子供心に
とても、怖かったのを覚えている。
縁側のガラス戸は透明なガラス、三十センチ四方で
細かく区切られていて現代のような一枚板硝子
ではなかった。
今のガラスとは全然比べ物にならないくらい
歪んでいる。だからガラスに映った自分を見ると
遊園地の『ビックリハウス』の鏡のように歪んで見える。
話がずれてしまった、私の見てくれは
置いといて。
会社の仕事では、私がリーダー的な役割で、
若い子たちに支持を出している。
十人くらいいるのだが、その中で菅野啓介
と言う男の子がいて去年、高校を卒業して
入ってきた子だ。
その子が、これまた生意気で、
美由紀先輩、彼氏いないんですか? とか
どうして結婚しないんですか? とか
色々聞いてくる。
この間なんか、
「美由紀先輩は俺の中では、ドストライクです。
年下は嫌いですか?」
などとほざいていて、
「そんなこと言ってないで、仕事しろ」
と、怒鳴りつけてやった。まあ、悪い気は
しなかったが、
現代っ子風の、マセガキだ
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