美由紀と盆栽

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「あの、突然に申し訳ありませんが この盆栽は、どなたが手入れをなさっているのですか 枝ぶりが素晴らしく、この五葉松や黒松など 何とも言えない佇まいです、それにこの紅紫檀も いいですね、ほんとに素晴らしいです。」 「この盆栽たちは、私が手入れしています。 あなたは、盆栽のことがわかるんですか?」 うちの専務がいきなり 「き、君、霞君、何を・・・」 専務の言葉など気にせずに私は話を続けた 「はい、実は私も盆栽を育てています、 五葉松と紅紫檀それと、もみじも育てています。 私の五葉松を見ていただけますか」 「おおそうかね、それじゃあちょっと 拝見させてもらおうかな」 私はタブレットを取り出して、私の盆栽の 写真を見せた。 「これが私の、五葉松の盆栽です」 盆栽屋の店主に褒められたやつを見せた。 タブレットが大きいので、実物大に近い 大きさで見られる。 「ほぉ〜、これを君が、うん、これはたいしたもんだ 誰かに教わったのかい」 「はい、盆栽店の主人に最初に教わりました」 「どこの盆栽店だい?」 「大路にある宝玉堂さんです」 「おぉ〜あそこか、私もあそこには よく行くんです、もしかしたら、 お会いしてたことがあったかもしれないですね、 でもここまで、できると言う事は大したもんです 社長室にも、何点か、置いてあるんです。 ご覧になりますか?」 「よろしいんですか、ぜひお願いします」 社長が社員の二人に 「話を進めておいてくれ、後で聞くから、 それじゃあ、霞さん、行こうか」 「専務、部長ちょっとすみません 行ってきます」
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