美由紀と盆栽

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専務も部長も、鳩が豆鉄砲食らったような 顔をしていた。 社長さんと私は、社長室に行き 盆栽を見せてもらった。 「うわー!どれも本当に素晴らしいです、 あ~これ、ケヤキですね、これは桜ですか」 「君は、えーっと霞さんだったね、 そうですよ、それは桜です、君は種類まで よくわかっているね、その桜はまだ新入りですよ」 「私も、桜を育ててみようと思っていたんです 早速、私も購入してきます」 「そうなんですか、それではこの桜 あなたに差し上げます、育ててみてください」 「え~そんな、結構です。こんなに立派な物 いただけません」 「若い者が遠慮なんかするんじゃないよ、 いいから持っていきなさい」 そう言われて私は桜の盆栽をいただいて帰るのだった。 とても、嬉しかった。 小一時間くらい、盆栽の話で盛り上がっているときに 内線電話らしき物がかかってきて、 社長さんが出て話し出した。 「私だ、・・・うん、そうか・・・よし、そうだな・・・ うん、うん、わかった、そう言うことであれば・・・ やってもらうことにしよう、・・・わかった。」 と言って社長さんは電話を切った。 社長さんは私をみて、 「霞さん、君の会社で今回の仕事はやって貰うことにしたよ、 これから、宜しく、お願いしますね。」 と私に言ってくれた。私は、嬉しさのあまり、      「キャッ!!」 と言って飛び上がってしまった。 「ありがとうございます、仕事もいただいた上に この桜まで、頂けて本当にありがとうございました」 といって、深々お辞儀をした。 「そのかわり、と言っては、なんだが君に わが社の営業担当をやってもらいたいけど、いいかな?」
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