美由紀と盆栽

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「はい、わかりました。精一杯、やらさせていただきます」 と社長さんにまたお辞儀をした。 桜の盆栽を抱えて私は社長さんと応接室に戻った。 部屋の中に入ると、専務と部長は笑顔で私を見て、 二人同時に頷いていた。 「霞君、きみそれどうした?」 部長が桜の盆栽を見て聞いてきた。 「はい、社長さんから頂きました」 専務も部長も驚いて、 「このようなものまで頂きましてありがとうございました」 と、お礼を言っていたが、社長さんは 「君たちに上げたんじゃないよ、霞さんにあげたんだから 勘違いするな」と一言。 「今回は、この霞さんがいて良かったですね、 私の気持ちを、和ませてくれた。とにかく これから、宜しくお願いします」 そう言って社長は部屋から出て行った。 商談も終わり(私はなにもしていなかったが・・・) 私たちは社に戻った。 専務と部長に社内では、盆栽のことは、皆に内緒に してもらう。 専務がうちの社長には盆栽の事も含めて、話したようで 後から社長室に呼び出され社長にお礼を言われた。 私はただ自分の趣味で話していただけなのに まぁ何はともあれよかったよかった。桜も頂けたし・・・ ただ相手側の社長さんが、営業担当は 貴方にお願いしますと言っていた事が気になっていた。 私は営業など詳しくは無いからどうしようかなと思っていたが、 男性営業も一人つけてくれると言うことで安心した。
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