詐欺をする警察

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 運転免許証の更新に行って来た。1番窓口で更新手数料3000円を払った後、2番窓口に進んだ。 「交通安全協力金をお支払いください」と黒縁眼鏡をかけた年増の女が言う。 「任意じゃないんですか?」と僕は問う。 「交通安全に協力しないと言うんですか?」 「いや」 「ではお支払いください」 「う~ん」 「皆、お支払いくださってますよ」  確かに払っているらしく、ごねている僕の前は空いてしまい、後ろに人が滞っている。その圧力も利用するかのように払え払えと心理的圧迫をかける上、払うのは義務ではなく任意であることは確かなのに任意であることを明示せずに払えというのは詐欺的商法と何ら変わりはない。  しかし僕は後ろで待っている人に迷惑が掛かると思ってなけなしの所持金700円の内500円を釣銭トレーに置くと、「1000円足りませんけど」と黒縁は相変わらず鉄仮面のように表情を一切変えずに言った。  任意なんだろと僕は不満たらたらで、「これ以上持ち合わせてないんだけど!」と言ったら、「ならしょうがありません」と黒縁は矢張り鉄仮面のように表情を一切変えずに言った。  僕は急いで500円玉を取り上げて財布に仕舞い、儲けたと思って3番窓口に進んだ。  後で調べたら交通安全協力金(交通安全協会入会金)の内、70%が交通安全協会職員(退職警察官の天下り)の給与に当てられ、たった20%しか交通安全啓発費に当てられていないことが分かった。で、僕は、義憤に駆られ、交通安全協会とは名目に過ぎない!市民から徴収した金のほとんどを自分の懐に収めるとは言語道断だ!騙し取っていると言って間違いない!これは完全なる詐欺だ!搾取したりピンハネしたりする悪徳業者と同罪だ!不当な理由で強制的に受信料を払わせ、私腹を肥やすNHKと同罪だ!顧客の預金を着服する行員と同罪だ!おとなしそうな客からぼったくる風俗店と同罪だ!国民の払った公金を横領する政治家と同罪だ! 苛斂誅求を事にする政府と同罪だ!何が市民の平和を守る警察だ!とんでもない嘘っぱちだ!それに騙される子供たちは、大人になったらなりたい職業ナンバーワンに警察を選んでいる始末なのだ。  臭い物には蓋をするで警察の不祥事は後を絶たず、表面化しないものを含め、検挙報告捏造や裏金工作や冤罪事件や誤認逮捕や猥褻行為など多岐に亘る。この事実も子供たちは知る由もないだろう。  ま、もし、本当に警察官になりたいのなら市民の亀鑑となるべく陰日向なく善行を重ね、虐められている子を救う義侠心を備えた道徳性を身に付けなければならないだろう。が、子供たちは道徳性を身に付ける努力をしているかどうかは怪しいもので恐らく敏腕刑事とか警察アニメのヒーローとかに憧れているだけなんだろうと思う。
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