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夜、テレビを見ていたら、背後でごとりと音がした。振り返ると、変わった服装をした女がクローゼットの中から這い出てきていた。
「誰!?」
「シッ! 騒がないで!」
女は人差し指を唇にあてて、座り直す。
「私、実は未来から来たの。2030年に起こる第二次世界部分的核戦争の引き金となる超次元移動式カプセルの開発を食い止めに来たんだけど、深く事情を説明してる暇は無いわね。ジョン・タイターは失敗したけど、私はそうならない」
「ちょ、ちょっと何が何だか……え、未来?」
「その通り。……そうね、試しにそこのクイズ番組」
女は、テレビを指差した。
「四択があるでしょう。正解はBよ」
「嘘」
「本当よ。見てなさい」
言われるがまま、私は食い入るようにしてテレビを見つめていた。そして、正解発表の時。
答えは、Cだった。私は早速抗議しようと振り返る。
「ねぇ、どうなってんの。間違ってたじゃな……」
そこにいたのは、笑いながら私にナイフを振り下ろす女の姿だった。
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