夢で逢いましょう

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 初めはよくわからなかった。何にモヤリとするのか。俺に霊感があるわけもない。っていうか、不吉なことが起こりそうというマイナスな感じでもなさそうだった。  疑問を抱えたまま、本丸である新居で過ごすのは少々居心地が悪い。モヤリとする原因を探るため、時間があれば庭先へやってきていた。  絡みに絡んだ糸をほどくように、自分の奥深くへ潜ってみる。  そして掴んだ答えを一番しっくりくる言葉にしてみた。  ————以前、俺はここにいた。  胸のすく思いがこみ上げる。  そこに取って代わるように、楽しげな子供の声が飛び込んできた。  玄関前の道で、子供が駆けていく声が聞こえてくる。  すると、目の前の庭先の景色が変化した。  そうだ。この庭で子供がはしゃいでいた。  俺は、縁側に座って2人の子供を見守っていた。両手に愛おしい重さを感じながら。    見下ろせば、小さな赤子がすやすやと眠っている。  子守歌を口ずさみ、生まれた子供をあやしていた。  ささやかな幸せを抱きしめ、この庭で慎ましく暮らしていたんだ。
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