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家族写真みたいだった。
七五三や町の祭り、入学時の写真まである。
変な気にあてられたせいか、興味を持つこともなかった古いアルバムに、一緒になってクラシカルなスライドショーをぼうっと眺めていた。
いくつもの白黒の写真を見ていた時、俺は目を疑った。
家の前で撮影された写真。小さな家だが、奥ゆかしい雰囲気を持っている。
この家の外観と瓜二つだった。
そして小さな子供2人、子どもの後ろに着物を身に纏う母親らしき人物と、精悍な顔立ちの父親。父さんによく似ている。みんな笑顔で、1枚の写真に収まっていた。
俺が見た映像は、この母親のものなのか。
知らない人なのに、なぜだかすごく懐かしい気持ちで満たされた。
俺は立ち上がり、庭へ歩み寄る。
いつもの場所に座って、庭先に足を投げ出す。
俺は流れてきた喜びを口ずさむ。
しだれ柳が囁いた、子守歌を。
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