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八方美人の性格は大好きだった職場から追い出されるほどの罪だったのだろうか。
小さな頃から私はカフェ店員になることが夢だった。元々おばあちゃん子だった私はおばあちゃんに会うたびによくおばあちゃん行きつけのカフェに連れて行ってもらっていたことがきっかけなのだ。
「木佐ちゃん、朝はね、モーニングっていうのがあってね。飲み物を頼むとこんなに美味しい物がサービスで付いてくるのよ。お得でしょ?」
おばあちゃんはそっと幼い私の耳元で教えてくれたのだ。飲み物を頼むだけで厚切りバタートーストもゆで卵もミニサラダと家でよく飲む小さい乳酸菌飲料が付いてくる。それをおばあちゃんと一緒に食べるのがすごく好きだった。こどもだ子供だった私には苦くて飲めない珈琲だったけど珈琲豆を焙煎したときの香ばしくてちょっと甘い匂いが好きだった。ジャズが似合いそうな空間なのにマスターの奥さんが好きだという理由で流れていた民間のラジオも好きだった。だから、いつか私も自分のカフェを持っておばあちゃんを1番最初のお客さんに来てもらうんだ。それが私の夢だったんだけれど。
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