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巣へ帰り落ち着いた時、リッキーは仲間たちに尋ねてみた。
「カベやヤネが怖くないかだって?そんなもの、ただ地平線上にあるカーブみたいなものだろ?何を怖がっているのかわけがわからない」
それに共感するように、
「カベ?ヤネ?人間たちはそういう事言っている気はするけど、私たちには関係ない事。気にするだけ無駄だよ」
何人に聞いても障害物や壁や屋根を怖がるものはいない。まるで一筋の道かのように壁を歩き、そこから下に落ちたとしてもまたすぐに歩き出す。少し転んだ程度だという。落ちたという概念がないみたいだった。何せ一筋の道を歩いているのだから。歩いているのは崖なのに変なのは自分なのか仲間なのかわからなくなってくる。
「私が怖いのはカベやヤネなんかじゃなくて、女王さまと、他の昆虫達だよ」
アリスがそういった。あのアリスですら怖いものがあるのだ。それには仲間たちも同意した。確かに、仲間が食べられるのは見たくない。女王も仲間を食べる。リッキー達が大量に獲物を持ってこれなかったせいだ。そこはみんなと同じで少し安心した。
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