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エピローグ
朔太郎がサラ金のATMから金を引き出す。
「んー? にいちゃんあの居酒屋のやつだろ? 」
財布にお札をしまおうとすると、スーツを着た3人組に朔太郎は囲まれる。薄い青色のサングラスを掛けた小太りの男が朔太郎の財布を取り上げる。
「あっ! おい! 」
「ふーん。山野朔太郎ねー。何でこんなとこで金借りてんの? あそこの居酒屋、金くんねーのか? 」
サングラスの男は朔太郎の財布から免許証を取り出し名前を確認する。ニヤついた笑いをして朔太郎を見る。
「な、なんなんだよ。あんたたち。これは俺個人の事だ。陽まりは関係ない」
朔太郎はすぐに財布を取り返し、逃げる様に背中を向ける。
「良いバイトあるぜ。そうだなぁー前金で100! いや200でも良い! やんないか? 朔太郎くん」
朔太郎は僅かに足を止めるも頭を下げて、その場を走り去る。
「おい! あいつのこと調べろ。使えるぞ」
サングラスの男は顎髭を指先で触りながら、朔太郎の背中を見送る。
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