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倒れたもう一人の自分を見ながら、私は喜びのあまり、満面の笑みを浮かべていた。
自分が裸で濡れていることから、おそらく自分はクローンなのだろう。
だが、今まで生きた記憶があり、そして、この願望があるから、目の前の倒れた自分と同じと言っていいはずだ。
その願望とは、自分を殺すことだ。
私は昔から、自分のことが嫌いだった。
思うように動かない体、遅い思考、自分勝手な性格がものすごく嫌いだった。
嫌い過ぎて、よく自傷行為をしたが、どこかブレーキがかかって、満足しなかった。
それに、矛盾するようだが、別に死にたいわけではなかった。
ただ、自分を殺したいだけだった。
そして目の前に自分がいたとき、これはチャンスだと思った。
だから傍らにあった刃物で刺した。
思った以上に呆気なく死んだが、まだ足りない。
ヒモにトンカチに複数の刃物…
やりたいことはまだある。
その前に、この死体に防腐処理をして長くもつようにしなければならない。
まぁ、これがダメになっても、また新しく作ればいいか…
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