アイデンティティを掴め

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 炎天下の下、全員微動だにしない体勢で陸軍中部支部長の話を聞く。 「本日このような合同訓練の機会を与えて下さったレイフ・ベックフォード隊長に感謝して、挨拶の締めとさせて頂こう」  長い挨拶が終わり、合同訓練の時間が近づくにつれて一層訓練兵たちの熱気が上がっていく。ウィルはそれを肌で感じて、自身も言葉に出来ない高揚感に満たされていくのがわかった。  開式を終え、その場で待つように訓練生たちに指示が飛ぶ。ここからはそれぞれのポジションによって分かれて訓練を行うため、ヒューズとはここでお別れのようだ。 「……フレディ・マックス、ウィルフレッド・ブラッドバーン。よし、これで全員だな」  点呼をとったのは、BSOCのエリオットだった。紙に印をつけると、それをぐしゃぐしゃに丸めてポケットに突っ込んだ。それを見て、陸軍では許されないようなその態度に一瞬うろたえたのを、ウィルは今でも覚えている。 「俺はBSOCアルファチーム所属のエリオット・アッカーソンだ。チームでは君たちと同じように後方支援を行うポジションを担っている。これからの訓練の責任は俺が負うから、怪我はするなよ」  エリオットは頼れる兄貴分といった風体で、豪快に笑った。7名のスナイパーたちはみな恐縮し切っている。 「じゃあまずは射撃場へ移動しよう。っと、地図は一応もらったんだが、それよりも詳しい奴らを先導して歩く趣味はない。誰かわかるやつ……ウィルだったか。このA-58の射撃場へ行きたい、案内してくれ」 「はい」  案内したA-58の射撃場は遠方射撃専門の射撃場であるため、縦に長くほかの訓練場から少し離れたところにある。到着するとそれぞれ自分のライフルを取り出して、列をなすようにエリオットの前に並んだ。
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