8話

1/1
前へ
/12ページ
次へ

8話

その後、カーラは昏々と眠り続けるようになった。 日中でも目を開けている時間は極端に減り、やがては呂律も回らなくなる。 記憶の混濁のせいで婦長を娘や母と間違え、無邪気に甘えかかることさえあった。 そのたび婦長は根気強く相手をし、カーラがまどろみ始めれば窓を開け、順調に育っている雛の囀りを聞かせてやった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加