No.0「目覚め、歩き出すための」

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No.0「目覚め、歩き出すための」

「ん…」  椅子に括り?付けられている少年が少し咳をして、目を開けて目の前の状況を確認する。 …1人の女性が目の前に居る少年の目が覚めると、「待ってました」と言わんばかりの剣幕で喋りかけてきた。  『おはようございます!!今目が覚めましたよね!もしかしてずっと起きてました!?もー1人でいるのが退屈で退屈で!アッ!水飲みますか!?汲んできますよ!ダッシr…』 「頼む…いったん静かにしてくれないかな…」  少年がそう言いながら女性の口を手のひらで塞いだ。 彼女は不満そうだが納得してくれたようで座って、『申し訳ないです…』と言ってしょげていた。  「じゃあ…まずはコレはどういう状況なのか簡単に説明出来たりする?」と無茶なお願いをしてみたがあっさりと 『あなたはさっき…と言うかだいぶ前ですが亡くなりました。』とハッキリ言われた。 正直うすうすそんな感じなんだろうかと考えてたが当たってみると悲しくなってくる… 『なので』と言いつつ気付けばいつ立って移動したのか分からないが真横に立っていた女性は、  2 とありきたりで夢を見ることを諦めた少年からするととてつもなくワクワクしてしまう言葉で、返事を躊躇うことなく 「もちろん、行かせてもらうよ」と言った  ここからの物語はどのようなことが起こるか分からないけれど、それでも自分の考える最高の自分であり続け、寿命が尽きるその時に最高の2週目だったと言いつつ旅立てるような物語にしたいと、2度目の人生を体験する少年はそう心に誓った。
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