第一章

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第一章

「おせーぞお前ら」 「ボス、月乃瀬君が、絡まれてたんですよ。」 「あんな奴ら軽ーくいなしとけよ、 あとお前らちゃんと仏さんに手を合わせろよ。」 「あ!忘れてた、私、今日初めてご遺体みるんですけど結構ショッキングですか?」 「いいや、忌々しことにとっても綺麗だよ。」 そう言ってボスは遺体にかけられていたブルーシートをめくりあげた。 ヒィーーーーなんて声を上げて國本は回れ右をしたが 一瞬見ただけでは死んでいるとは分からないほど綺麗な状態の遺体だった。 「さーてお前たちはどうみるかな?」 遺体は 胸の前で腕を祈りのポーズで置かれており 首元を綺麗に切られている。 「國本!いい加減にこっちをみろ」 ずっと後ろを向いていた國本がうぅと奇声を上げながらこっちを向いてた。 「國本状況確認してみろ。」 「えぇーと、ご遺体は女性で首元を鋭利な刃物で切られてます。 でも死因はそれじゃないと思いますぅ。 ボスー、一回後ろ向いていいですかぁー」 「月乃瀬どう思う。」 「國本の言う通り死因は首の傷ではないですね。 切り口が綺麗すぎる。死んだ後にゆっくり切られたものですね。 そして首を切った理由は多量の血を取るため。」 この女性の死体は 地面に仰向けに置かれ 血で翼と時計そして鎌が描かれていた。 「酷いな。月乃瀬、これは間違いないな。」 「えぇこれは連続殺人犯『ゼウス』のやり方です。」 『ゼウス』  今世界で有名になっている、連続殺人鬼。  最初の殺人は10年前、幼児虐待の疑いがあった母親が、  今回のご遺体のように、血で翼と時計と鎌が絵がれて殺されていた。  そしてその事件をマスコミやネットが面白がり 翼と時計と鎌は、クロノスと言う自らの子ども丸呑みにした神を暗示していると。  そしてクロノスは自分の子どもである『ゼウス』に殺されてしまうことから。  この殺人鬼に『ゼウス』と名付けた。
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