第1問

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第1問

「無理だろ」  幼馴染にフラれた。  親の顔より見た、大好きな人だった。  テンパった自分が何を口走ったのかは覚えてないけど、「好きです」って最低限のことは伝えたつもり。なのにだよ。 「ばーかばーか! ぶぁーか!!」  十数年も一緒にいて、好きなのは私だけだったって? うわぁ、痛い勘違い女。恥ず。なんだよ期待させやがって。 「あんたなんかなぁ、一生彼女もできずに独り寂しく天寿を全うすりゃいいんだぁあああ!!!」  歩道橋の欄干を引っ掴み、吠える。  甲高いこだまは、目下で行き交う自動車のエンジン音にかき消される。  唯一の目撃者であるカラスさえも、闇に溶け込んで、嗤うことすらしない。
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