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今度は躓いても大丈夫なように、がっつりと恋人繋ぎにされてしまった。
「深刻そうな顔してたけど、大丈夫だったか? 彼女」
「うん。泣かれちゃったけど。僕は気にしてないことでも、向こうはかなり落ち込んでたみたい。でも、ちゃんと仲直りはしたよ」
「それならよかった」
彼女の態度を怪しむばかりで最初、汐は冷たく当たってしまったことが気がかりだった。
「……でも、もっと他にいい言い方があったかもしれない。ちょっと……じゃなくて、かなり素っ気ない態度になっちゃった」
「汐君が自分の気持ちを率直に出せるところ、僕は好きだけどな。偽善じゃなくて衝突するくらいがいいと思う。まだ若いんだし。同じ学校なんだろう? 時間を置いてまた話してみるのもいいかもな」
「うん……そうしてみる。えっと。僕、そんなに率直……っていうか、本音ばっかりで話してるかな?」
「話してるな。最初から僕に対してもそうだっただろう」
うぐ、と汐は言葉を詰まらせる。
深見は熱っぽい視線を汐に向けてくるが、つい逸らしてしまった。
Dom嫌いゆえの挑発的な態度は、黒歴史としてがっつりと刻まれている。
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