愛されSubは尽くしたい

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にやりと深見が狙い澄ましたような顔をしたので、汐は苦い表情で返すしかなかった。 少し歩いた先で、深見と共に入ったのは、Dom/Sub専門の店だった。 周りの店がガラス張りの壁で明るいイメージなのに対し、汐達が立ち入った場所は、逆にモノトーンで統一されている。 外から中にいる客が認識出来ないようになっており、早速店員に個室へと案内された。 ホテルのティーラウンジのような場所で、汐はベルベット地のソファへ、こわごわと腰掛けた。 店員と話し終えた深見が、汐の隣へと座る。 ほどなくして、アクセサリー用のトレーを手に持った女性が汐の元へやって来た。 ──わ、すごい……。 多様なデザインのColorが、汐の目に眩しく映る。 「手に取ってごらん。汐君に似合うものが多すぎて絞れなかった」 皮の素材でつくられた首輪に、どれも淡い色の宝石が嵌められている。 中にはリードを繋げられるようになっているものもあり、想像してずくん、と腰が重くなった。 「僕もそれがいいと思ってた」 汐の身体の状態を見抜いているのだろう。 腰に手を回し、深見が汐の耳元で囁いてきた。 「せ……誠吾さんっ」 「さすが僕のSubだな。考えていることが同じで嬉しい」
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