幼児虐待

1/3
前へ
/7ページ
次へ

幼児虐待

      f87e9a63-74de-4167-8963-2d826d165c22 ここ大阪は関西一の都市、天下の台所と言われた名残は食い倒れとして残り美味いもんなら日本一の大阪。 笑いの本場とも言われ吉本新喜劇や劇場も多くあり日本一笑いが絶えない街、大阪。 そして治安の悪さ、犯罪遭遇率も日本一をほこる街大阪。 そんな大阪の犯罪を『増やさないため』に務めるチームが大阪城のお膝元の大阪府警本部にあったりなかったり…。 OIC、通称『隠蔽特別班』に移動した中童子都がそこでねねあだ名をつけられてから早2週間。 検挙数の合わない調整、押収物の紛失の捜索、犯人の取り調べの裏取りの甘かった部分の補足調査など隠蔽特別班での仕事を毎日片付けてはため息をついていた。 やっている事は雑用の様で有り、本来ならやってはいけないものばかりでねねは自問自答の日々だった。 今日も押収した凶器の包丁の刃渡りが当初の記載と合わないのを確認して訂正する仕事をしてきた所だった。 ね「はぁー。」 殿「でかいため息つく前に早よ仕事終わらせえや。」 ね「もう終わりますよ。はい、後は殿のハンコお願いします。」 訂正書類に最後のハンコを押して殿に渡したねね、気分が乗らないとは言え仕事であることに変わりはないのできちんと仕事はこなすねねの事は、隠蔽特別班の皆も認めておりすんなり仕事も覚えてくれて有難くそれなりに打ち解けるのも早かった。 そしてこの隠蔽特別班の面々の性格や特徴なども大体分かってきた。 初「お疲れ様、もうすっかり仕事覚えたね。」 ね「ありがとうございます、覚えて良いものか今だに分かんないですけどね。」 初「ホンマねねちゃん真面目やな。」 ハンコを片付けるねねの所にコーヒーを持ってきてくれたのは初、気配り上手で立ち回りが上手い初はどんな時でも一歩引いて周りを見ている様で余裕がある男だとねねは思っていた。以前は刑事課にいた実力もありつつイケメンでモテるのは誰もが納得する物だった。 殿「初、俺にも。」 初「まーた、自分で淹れればいいのに。」 隣でねねの渡した書類に目を通していた殿が催促した。 そんな時に軽く文句を言いつつもドリップしてまだ波波と入っているコーヒーサーバーとコップを持って殿の所に行く初の世話好きな所を見て、実家の母と父を見ているかのような感覚のねねは貰ったコーヒーを啜っていた。 さ「あんたなんでまたしつこくすんの?」 カ「別にそないしつこ聞いてないけど、さくらが意識し過ぎなだけやない?」 さ「そんなんだから彼女出来んって分からんの?」 ね「お疲れ様です。」 さ「もうねねちゃん聞いてー、こいつまたナンパしてん。」 賑やかく帰ってきたのはカツオとさくら、交通課の違反切符の確認に行ってきた2人だが何やらカツオがやらかした様子。 パソコンやネット関係に詳しいカツオは以前サイバー対策課に居てまたまた補充捜査に関わったのをきっかけに引き抜かれた。 彼女が欲しいとフットワーク軽く行くのだが中々上手くはいかない、どこか恋人にするには違う性格はねねも何となく察していた。隠蔽特別班ではいじられ役でもあった。 さくらは高校までヤンチャだった事もあり口調もヤンキーそのもの、ちょっとオラついてしまう時もあるが親しいからこそであってちゃんと仕事もするねねと同じくらい真面目なタイプだ。 ねねより年下と聞いて驚いたと同時にヤンチャな部分にも納得したのは言うまでもない。今だに年上扱いしてしまう事も多い。 この二人が喧嘩するのは日常茶飯事でねねも来てすぐに耐性がついた、大体はカツオが何かやらかしてそれをさくらが叱る所から言い争いに発展する。 さくらの口調からさくらが悪く見られがちだが大半は今日の様にカツオが悪い。 交通課の女の子にしつこく連絡先を聞いて困らせたみたいだ。 ね「まぁそれはカツオさんがいけないかな。」 か「なんでそうなるんー?」 さ「ほら見た事か。あっ!座長、明日私休みだかんね。」 座「ほーい、運動会やろ?」 さ「そっ、天気予報も晴れだし。大和の最後の運動会だからね。」 殿「もうそんな大きなったんか、ここ来た時はまだ2歳で夜泣きがー言うてたのに。来年は小学生か。」 ね「えっ、さくらさんお子さん居たんですね!」 殿が話した会話の流れでさくらに子供がいる事が分かりまた新たに驚くことになったねね。 自分より年下なのにまさか子持ちだったとは、しかもそれなりに大きい子供にびっくりしていた。 初「でもさくらもう一人いたよね?」 さ「うん、年子でもう一人颯斗。颯斗も結構でかくなってんよー。」 ね「二人もいたなんて。」 カ「それがな、前の旦那とはデキ婚してスピード婚、だけど浮気されてスピード離婚。そんで実家に戻って実家の板前とスピード再婚。またスピード離婚も秒読みとか笑。」 さ「お前ホンマ張っ倒すぞ、ってか姉さんも!またさん付けしとるー。」 ね「ごめん、もう情報量多すぎでそれどこやないて。」 初「あ、ねねちゃんが関西弁とか新鮮。」 ね「パニくりすぎてつい笑、実家が老舗の料亭とは聞いてたけどそれだけしか聞いてなくて。」 情報量に困ってつい関西弁が出たことを初に言われるが頭の中の整理がつかずねねはさくらに一から説明をしてもらった。 それが終わるとさくらは早々と帰っていった。 ね「そっかさくらちゃんお子さんいるのかー。」 殿「最初の旦那は甲斐性なしやったからあいつもそれなりに苦労してんで。」 ね「結婚ってやっぱ大変なんですね。」 殿「そりゃ当然やろ、それと俺と初は熟年夫婦やない。」 隣の殿に数分前に思っていた事を言われて周りを見回してしまうねね、心で思っていただけなのについ声が漏れてしまったのか?と考えていると殿が「お前は顔に出やすい。」と言った。 そこまで顔に出るか?と不安になって口元を書類で隠して居ると呆れた様子の殿が更に一言言った。 「そう言う所やで。」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加