23 君の生存を喜ぶ暇もありゃしない

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 ……機械。  ゲイリーはその冷ややかな響きに、心臓をぞくりとさせる。 「ということは……真実を話さなかったら、ニーアはどうなる?」 「人間に危害を与えた機械として、アンドロイド法3条11項に基づき、即時解体、内部情報の解析の上、廃棄処分だ」  リェムは淡々と言葉を述べる。ゲイリーは唸った。 「解体……つまり彼女を殺すのか……」 「そのときにはもう、彼女の扱いは人間でないから、という表現が適当が分かりかねるが、まあ……そういうことだ」  答えるリェムの顔にいつもの笑いはなかった。そこから、ゲイリーは事態の深刻さを伺い知る。  そして、気づいたときには、彼はリェムにこう言わずにいられなかった。 「どうして、俺に会いたいのかは分からん、だが、ニーアの元に連れて行ってくれ」
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