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その永遠に続くとも思われた応酬は、唐突に楔が打たれた。二機の無人小型索敵機に挟まれつつ攻撃を躱していたニーアが、それまでになく高く上空へと跳んだのだ。次の瞬間、ニーアの身体は、片方の無人小型索敵機の上に飛び乗っていた。戸惑ったように双方の敵が一瞬、動きを止める。
ニーアはその隙を見逃さず、前面の一機に向かって、すかさず両肩から対空砲を発射した。何度目かの爆発音が響き、無人小型索敵機がまた一機、その身を霧散させる。
そして、それに続く、ニーアの動きはより素早かった。彼女は背に手を回し、槍のような物体を自らの戦闘着から引き抜くと、自らの乗った無人小型索敵機の制御部分を勢いよく串刺しにしたのだ。途端に、最後の敵が火を噴く。次いで、最後の爆発音が轟く。黒煙を上げながら舞い落ちる無人小型索敵機の破片が、ばらばらと、ガラスドームの表面を叩いては滑り落ちていく。
……そして、辺りに静寂が戻った。
激しい戦闘の後を窺わせるのは、ガラスドームの上空を煙らせる黒い煙のみである。それも風に吹かれて次第に薄れゆく様子を見ながら、ゲイリーは夢でも見たのでは無いか、と本棚のひとつに寄りかかりつつ思った。
だが、煙の薄れる向こうから現われた、すっくとガラスドームの上に立つ長い髪の人影が、そうではないと彼に現実を告げる。
漆黒の戦闘着に身を包んだニーアは、手にしたままの槍を背中に戻すと、再び跳躍し、ゲイリーの視界から姿を消した。
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