23 君の生存を喜ぶ暇もありゃしない

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「……俺に? ……なんでだ?」  ゲイリーはリェムの意外な言葉に驚きを隠せない。 「それはわからん。彼女はそれだけしか、今のところ何も話そうとしない」 「……軍としては、俺のことなんかより、彼女に聞きたいことが山ほどあるだろう? それはどうした?」 「聴取してるさ。だが困ったことに、彼女は肝心のハック疑惑については、頑として口を割らぬ。我々もお手上げだよ」 「無理やり口を割らせるのは、あんたたち軍の人間にゃ、お手の物だと思っていたが、違うのかね」  ゲイリーがいくらかの皮肉を込めてリェムに質す。するとリェムは肩をすくめた。 「そういうわけにもいかんのだ、サンダース。ニーアは元人間のアンドロイドだ。そうするとな、法律上は人格を持った存在として、いろいろ人道的な法律に引っかかる。だから、無闇なことはできん。つまり、彼女にもいわゆる人権が適応されているわけだよ、今はな」 「……今、は?」  リェムの意味深な語尾に引っかかりを覚え、ゲイリーは思わず問い返す。するとリェムは冷徹な声できっぱりと語を放った。 「彼女がこのまま、真実を話さなかったら、我々は超法規的措置にて、ニーアを人間でなく、機械として扱う」
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