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終章
赤薔薇の魔女と王子は愛おし気に見つめ合っていた。
そして、王子はふとトポに気づきに微笑んだ。
「ありがとう。君達のおかげで赤薔薇の魔女殿を
目覚めさせることができた。
彼女はこの森に、心身の欠けた部分を生やしたり
治したりする実をならしてくれるそうだ。
赤薔薇を摘む者達は生き返らせないが、
相方達はみんな健康な心身を得るよ」
「まぁ、あなたの本心は戦に勝つための
健常な兵士が欲しいんでしょ」
くすくすと笑う赤薔薇の魔女。
トポは黙ってそれを聞いていたが、ふと、赤薔薇の魔女の
胸を刺していた剣が落ちているのを見つけた。
トポはそれを拾い上げ自分の胸に刺した。
剣は、魔女と王子のー赤薔薇、白薔薇の魔力を吸い取り、
赤薔薇の森を一掃した。
・・・・・・・・・・・・・・・
「そしてトポはどうなったの」
暖炉の燃え盛る中幼子が親に尋ねる。
「そうね。トポがどうなったのかは分からないわ。
ただ、赤薔薇の森は肥沃な大地となって
私達を養ってくれるの。
そして淡いトポの花が現れて、それは心身に問題を抱えた人たちを
癒す薬となったのよ」
親はそう言って幼子の頭をなでた。
了
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