赤薔薇の森の入り口にて

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天幕に集められた村人達は みな一応に不安そうな顔をしていた。 「トポ、みんないるね」 マポレーナが小声でトポに話しかける。 トポも無言でうなずく。 集められたトポ達の前には 村長と偉い服を着た大臣が一人、 そして護衛の兵隊が数名いた。 村人たちはヒソヒソと話していたら ゴホンと大臣が咳払いをしたので 皆、ぴたりと話すのを止めた。 そして彼は村人たちに話し出した。 「えー今回皆に集まってもらったのは 察しての通り、赤薔薇の森を作っている元凶である 赤薔薇の魔女の退治の為である」 それを聞いた村人の一人が立ち上がって 「お大臣様、赤薔薇の森に入れるのは オラのような片腕がない、どこか体に障害があったり 心を病んだりしている者達だけですだ。 オラは別に片腕が無くても不便はねぇ。 ただ、赤薔薇の森では不思議な事に ない筈の片腕があるですだ。 そして心を病んでいる者は 病気が治っているですだ。 だがその代わり・・・」 すると村長が手を振って話していた村人を 黙らせて座らせた。 そして村長が大臣に 「お大臣様。彼の言う通りです。 我々はどこか体に不具合のある者や心を病んだ者と どこにも問題が無い者を二人一組で 赤薔薇の森の薔薇を摘みます。 薔薇を摘めるのは障害のある者だけ。 それも、いわゆる健常者と言われる者が 森の入り口の中に入り込んで同じ赤薔薇の 花びらを食べる事で、障害を持った者が 赤薔薇を摘めるようになります」 村長は更に言いつのった。
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