トモダチ、以上?

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 席に通されて、渡されたカラフルなメニューを二人でじっくりと眺める。  目移りして迷ってしまい、結局は本日のおすすめだというパフェを頼んだ。  ひと息ついて店内を見渡すと、さすがに男同士は自分たちだけだが、カップルに若い男性一人も含め女性ばかりというわけではなかった。 「結構男も居るもんなんだな。──あの人、一人で凄いよな、勇気ある」  ちらりと男性一人客に目をやり、大雅が呟く。 「勇気っていうか、……いまどきそこまで珍しくないと思うよ。俺もたまーに姉さんとこういうとこ来るけど、男が自分だけで居心地悪かったことなんか一回もないもん」 「郁、お姉さんと二人姉弟だったよな。大学生だっけ? 仲いいんだな」  そういう大雅は、中学生の弟が居るらしい。 「まーね。うち、両親が仕事で忙しいからさ。小さい時から二人で居ること多かったし。そんなべったりってほどじゃないけど、普通は一緒に出掛けたりしねーのかな」 「どうだろう。それこそ家によるんじゃないか?」
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