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「大雅、今日はどうする?」
明るい郁の声に、大雅もホッとしたように頬を緩めた。
「今日は図書館行かないか? ちょっと探したい本あるんだ」
「おー、了解。市立の?」
「うん。いちばん近いし、規模も大きいし」
駅に向かって歩きながら、行き先が決まる。
「今読んでる歴史ファンタジーが結構面白くてさ。ほら、この間話しただろ?」
「ああ。蒼がどうのってタイトルのやつだっけ? あの文庫の」
郁が訊くと、大雅は大きく頷いた。
「うん。読みやすいわりに本格的で、引き込まれる感じ。よかったら郁も読む? 一巻、もう読んだから貸すよ?」
「大雅がいいんなら借りようかな。読んで、気に入ったら自分でも買うよ」
「わかった。明日にでも持って来る。……もし合わなかったら、遠慮しないでそう言ってくれていいから」
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