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【3】
「愛、そろそろお母さん仕事から戻って来てる頃じゃないか?」
宿題おわったあと、二人でおしゃべりしてたとき。遼くんの言葉に時計を見ると、いつの間にか六時過ぎてる。
「……あー、うん。じゃあ帰るね」
仕方なく立ち上がったわたしに、遼くんも一緒に玄関まで来てくれた。お見送りだと思ってたのに、遼くんもわたしに続いて靴をはいてる。
なんで? あ、ついでに買い物でも行くのかな?
「もしお母さんがまだだったら、もうちょっとウチにいればいいからさ」
そっか! わたしが家に入れるかどうか、確かめてくれるんだ。
外廊下に出たわたしが自分の家のインターホンのボタンを押すのを、遼くんがドアから乗り出すようにして見てる。
すぐおとなりなんだから、そんな心配しなくていいのにね。わたし、そんなちっちゃい子じゃないよ?
《はい》
遼くんは、スピーカーから聞こえるママの声に安心したみたい。
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