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 でも、おとなりのおばさんも遼くんも昔からよく知ってるから、「よそ」とはまた別なのかな。  たまに遊んでもらった時も、遼くんとなら大丈夫ってママよく言ってたもんね。 「すぐにご飯できるからね」 「はーい」  一番手前の自分の部屋に入ったわたしは、せなかから下ろしたピンクのランドセルを床に投げた。  ママに見られたら「六年使うんだから、もっと大事にしなさい」って怒られるけど、ついついやっちゃうんだよね。 「あー!」  ちゃんとロック掛かってなかったみたいで、ランドセルのふたが開いて中味がザーって出ちゃった。  わたしはノートや筆箱と一緒に飛び出したピンクのキーホルダーを拾い上げて、目の前でゆらゆらする。 「んだから、他のに付け変えないとね」  ……ふふ。                             ~END~
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