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「ねー、カギ落としちゃったぁ」 「え!?」  インターホンを押したわたしの言葉に、マンションのとなりに住む(りょう)くんはびっくりしたみたい。  ガチャってインターホン切って、すぐに玄関まで走って来た。 「鍵って、それ大変じゃないか。どこで落としたかわかる?」  ドア開けた遼くんはすごく心配そう。 「わかんない。ランドセルに付けてたピーって伸びるの、さっき家に入ろうと思ったらなかったんだよ~。わっかが外れちゃったみたい」 「ピー、って。……ああ、リールキーホルダーか」  困った顔のわたしに、遼くんは家に上がるように言ってくれた。遼くんなら追い返したりしないと思ってたけど、よかった~。 「ありがとー」  遠慮とかしないで、平気で靴を脱いでるわたしに、なれてる遼くんは別に怒ったりしない。 「(あい)、部屋で待ってて」  廊下の途中にある遼くんの部屋の前。  ドアを開けながら声掛けられて、わたしはうん、て返事する。
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